一般社団法人港北区薬剤師会

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コロナワクチンは毎年接種したほうがいいの?

コロナワクチンは毎年接種したほうがいいの?

コロナワクチンの副反応と安全性!

ワクチン接種で最も気になるのは、やはり副反応と安全性でしょう。
みなさんもすでに経験があると思いますが、ほとんどの副反応は微熱など軽度なもので一時的なものになります。

コロナワクチン接種後によくある副反応とは?発熱や倦怠感の特徴

発現割合 症状
ファイザー社 モデルナ社 第一三共社 Meiji Seika
ファルマ社
武田薬品社
50%以上 痛み※1疲労、頭痛 痛み※1疲労、頭痛 痛み※1倦怠感 痛み※1 痛み※1疲労、筋肉痛、頭痛
10%以上
50%未満
筋肉痛、悪寒、関節痛、発熱、下痢、腫れ※1 筋肉痛、悪寒、関節痛、吐き気・嘔吐、リンパ節の腫れや痛み、発熱、腫れ※1しこり※1赤み※1 熱感※1腫れ※1赤み※1かゆみ※1しこり※1頭痛、発熱、筋肉痛 倦怠感、頭痛、悪寒、筋肉痛、関節痛、発熱、めまい※1しこり※1赤み※1 倦怠感、関節痛、吐き気・嘔吐
1%以上
10%未満
赤み※1リンパ節の腫れや痛み、嘔吐、疼痛 痛み※2腫れ※2赤み等※2 赤み、腫れ※2かゆみ※2熱感※2しこり※2痛み※2リンパ節の腫れや痛み、発疹、腋の痛み かゆみ※1下痢、吐き気、嘔吐 腫れ※1しこり※1赤み※1発熱、四肢痛
各社の添付文書より厚生労働省において作成
※1 ワクチンを接種した部位の症状
※2 接種後7日目以降のワクチンを接種した部位の症状

多くの方にみられるのは、インフルエンザワクチンなどと同様の一般的な副反応です。

ワクチン接種|一般社団法人港北区薬剤師会

具体的には、

  • 接種部位の痛みや腫れ(最も多い)
  • 倦怠感(だるさ)
  • 頭痛
  • 発熱

これらの症状は、接種翌日をピークに現れることが多く、ほとんどの場合、数日以内におさまります。必要に応じて、市販の解熱鎮痛薬で対処可能ですが、医師やかかりつけ薬剤師にも相談するようにしましょう。

コロナワクチンを打つべき人・見送ってもいい人

2025年からの定期接種化により、接種するかどうかの判断は、以前よりも個人の判断に任されています。

コロナワクチン接種を推奨されている方

2025年度新型コロナワクチン定期接種リーフレット

次の項目に当てはまる方は、重症化を防ぐメリットが非常に大きいため、毎年(定期接種)の接種を推奨されています。

  • 65歳以上の方
  • 60歳から64歳までの一定の基礎疾患(※)を有する方

※心臓や腎臓、呼吸器の機能の障害があり身の回りの生活を極度に制限される方や、免疫の機能に障害があり日常生活がほとんど不可能な方。インフルエンザワクチンの定期接種の対象者と同対象者

 

横浜市新型コロナワクチン接種に関するお知らせ

対象者、実施時期、接種場所などについての情報は上記のサイトを確認してください。

コロナワクチンは毎年打つべき?定期接種の必要性

新型コロナウイルスとインフルエンザが似た扱いになることで、「毎年接種が必要なのか?」と思いますね。

【インフルエンザについてはこちらをご覧ください。】

コロナワクチンが毎年必要とされる理由とは?変異株と免疫低下の関係

コロナワクチンは毎年接種したほうがいいの?

毎年接種が検討される主な理由は2つあります。

  1. **免疫の持続性の問題**:接種によって得られた予防効果は、時間とともに徐々に弱まることがわかっています。
  2. **変異株の出現**:新型コロナウイルスは新しい変異株を次々と生み出すため、古い型のワクチンでは効果が薄れてしまいます。

これらの理由から、重症化を防ぐ高い予防効果を維持するためには、流行前に新しいワクチンを接種することが良いと考えられています。

コロナワクチンの効果は?厚生労働省データで見る発症・重症化予防率

新型コロナワクチンは、国でしっかりと効果と安全性が確認された上で承認されています。

最も重要な役割として、国内外の研究により、新型コロナウイルスに感染したときでも、入院や死亡などの「重い病気になること(重症化)」を防ぐ効果が認められています。

【2024年〜2025年シーズン(JN.1対応ワクチン)のデータ】

最新のワクチンを接種することで、新型コロナウイルスによる入院を約45%〜70%程度防ぐという報告が世界各地から出ています。

コロナワクチンの感染・年代別の入院予防効果

新型コロナワクチンの有効性・安全性について|厚生労働省

  • 日本国内の報告(JN.1対応ワクチンを打っていない方との比較)
    • 60歳以上の方:入院を63.2%防ぐ効果が確認されました。
  • 海外の報告(最新のJN.1やKP.2対応ワクチンなど)
    • 65歳以上:入院を45%防ぐ効果
    • 18歳以上:救急外来の受診を33%防ぐ効果
    • その他:18歳以上や65歳以上で、入院予防効果が最大75%、救急外来の受診などを防ぐ効果も高い数値で確認されています。

これらのデータ情報源

  1. VERSUS Study第12報
  2. MMWR.2025;74:73-82
  3. Nat Commun.2025;16:4033

 

コロナワクチン接種のベストなタイミングと抗体の関係

コロナワクチンの効果を最大限に発揮させるには、接種のタイミングがとても重要です。

厚生労働省は、重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患を持つ方を中心に、毎年秋から冬にかけての1回接種を推奨しています。

これは、冬場に感染拡大しやすい時期に合わせて抗体を高めておくためです。

ただし、「過去に感染したことがある人」や「直近で感染したばかりの人」は注意が必要です。

感染後は体内に自然にできた免疫(中和抗体)が一定期間維持されるため、すぐに追加接種しても効果が上乗せされにくいとされています。

一般的には、感染から3か月程度の間隔をあけて接種するのが望ましいとされますが、これは個人の健康状態や使用するワクチンの種類によって異なります。

なお、抗体検査で自分の免疫状況を確認することも可能ですが、現時点では接種前に抗体量を調べることは義務付けられていません

コロナワクチン接種後の過ごし方と注意点

ワクチン接種を安全に終え、その効果を最大限に発揮させるために、接種後の過ごし方は大切です。

【接種当日】コロナワクチン後の体調管理と過ごし方のポイント

【接種当日】コロナワクチン接種後

接種後15〜30分間は、アレルギー反応などがないかを確認するため、会場で待機しましょう。

帰宅後は、無理をせず安静に過ごすことが重要です。

また、激しい運動や大量の飲酒は避けましょう。

体調の変化(特に発熱や倦怠感)がないか、接種部位の様子などをよく観察してください。

副反応が出たときの対処法

発熱や頭痛が出た場合は、市販の解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬など)を使用しても構いません。

ただし、薬の選択は医師やかかりつけ薬剤師にご相談ください。

症状が続く場合や、高熱が2日以上続くなど、副反応とは考えにくい強い症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診するか、自治体の相談窓口(副反応コールセンターなど)に連絡しましょう。