一般社団法人港北区薬剤師会

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ジェネリック医薬品について

ジェネリック医薬品について

「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」は、先発医薬品(新薬)の特許が切れた後に製造・販売される、
「先発医薬品と同じ有効成分を同量含んでおり、(先発医薬品と)同等の効き目がある」と認められた医薬品です。
先発医薬品に比べて薬の値段が5割程度、中にはそれ以上安くなるものもあるため、自己負担や国民医療費の抑制にもつながります。

1.ジェネリック医薬品とは?

先発医薬品の特許が切れた後に、それと同じ有効成分で製造・販売される医薬品

医薬品には、一般の薬局・薬店で販売されている「一般用医薬品」と、医療機関で診察を受けたときに医師から処方される「医療用医薬品」があります。さらに、「医療用医薬品」には、新しく開発・販売される「先発医薬品(新薬)」と、先発医薬品の特許が切れた後に先発医薬品と同じ有効成分を同量含み、他の医薬品メーカーにより製造・販売される「後発医薬品」があり、後者を「ジェネリック医薬品」(※)とも言います。
※欧米では一般名(generic name)で処方することが多いため、「ジェネリック医薬品」と呼んでいます。

先発医薬品を開発した医薬品メーカーには、その新薬を独占的に販売できる特許期間(20~25年)があり、その期間が終了すると、新薬に使われた有効成分や製法などは国民共有の財産になります。そして、厚生労働大臣の承認を得られれば、他の医薬品メーカーでも「ジェネリック医薬品」として製造・販売が可能になります。 複数の医薬品メーカーが製造するジェネリック医薬品には、高血圧や高脂血症、糖尿病、花粉症といった様々な病気・症状に対応するものがある上、その形態もカプセル・錠剤など多様です。

2.どんなメリットがあるの?

先発医薬品と比べて5割程度安価 

先発医薬品の研究開発には、約9年~17年程度の長い歳月と数百億円から数千億円を要すると言われる莫大な投資費用が、コストとして薬の値段に反映されています。これに比べてジェネリック医薬品の場合、既に有効性や安全性について先発医薬品で確認されていることから開発期間やコストを大幅に抑えられ、結果として薬の値段も先発医薬品と比べて5割程度、中にはそれ以上安く設定することができます。

慢性的な病気によって薬を長期間服用する場合などは、ジェネリック医薬品の使用で、薬代の大幅な削減につながります。さらに、自己負担分を除いた薬代は、私たちの保険料と税金で運営されている公的な医療保険から支払われているため、薬代の削減によって医療保険の支払い額も抑えることで、それに投入される保険料や税金の負担減にもなります。

つまり、ジェネリック医薬品の普及によって、健康保険組合の負担や国の財政負担の削減へ貢献することになるのです。

3.効き目や安全性は大丈夫?

様々な試験によって、効果や安全性が証明 

「安くて本当に効き目はあるのか」「安全性は大丈夫なのか」と心配する方もいるかもしれませんが、ジェネリック医薬品の開発にあたっては、医薬品メーカーにおいて様々な試験が行われており、それによって先発医薬品と効き目や安全性が同等であることが証明されたものだけが、厚生労働大臣によって承認されます。  

また、既に販売されているジェネリック医薬品についても、信頼性の向上の観点から、都道府県などの協力を得て検査が実施され、検査結果も公表しています。効能や効果・用法・用量は基本的に変わりなく、製品によっては、先発医薬品よりも飲みやすくなるように薬の大きさや味、においの改良や、湿気や光に弱いなどの品質面の改善による保存性の向上など、よりよく工夫されたものもあります。

4.使用するにはどうすればいいの?

まずは、かかりつけの医師や薬剤師に相談を 

ジェネリック医薬品を希望する場合、病院・診療所・保険薬局で医師・薬剤師にそのことを伝えてください。医師に直接言いにくいのであれば、受付などで相談するのもいいでしょう。診察券あるいは保険証に、市町村や協会けんぽ及び健康保険組合が配布している「ジェネリック医薬品希望シール」を貼付したりする方法もあります。  

また、処方せんに記載されているのが先発医薬品の名称であっても、「変更不可」の欄にチェックがなければ、薬剤師と相談のうえ患者さん自身がジェネリック医薬品を選ぶことができます。処方せんに医薬品の商品名ではなく成分名が記載されている場合(「一般名処方」といいます)も同様に可能です。

ただし、すべての医薬品にジェネリック医薬品があるわけではありませんので、その点はご理解ください。また上記のとおり、ジェネリック医薬品は先発医薬品と有効成分や効果などは変わりませんが、使用されている添加物が異なることもありますので、アレルギーなどがある場合は選択できない場合もあります。