一般社団法人港北区薬剤師会

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内服薬の服用方法

内服薬の服用方法

内服薬(飲み薬)にはいろいろな形があります。

錠剤
錠剤について
錠剤は内服薬の代表的な形です。錠剤の中には、水を必要とせず、唾液だけで飲むことも出来る口腔内崩壊錠。胃に負担がかからないように腸で錠剤が溶けるように工夫された腸溶錠。効果を持続させるために錠剤からゆっくりと薬が溶け出すように工夫された徐放錠など簡単に薬を飲めるようにしたり、副作用を起こさないようにしたり、長時間、効果を十分に発揮できるように工夫されている錠剤もあります。
服用方法
錠剤は特別な指示がない限り、コップ一杯(180~200mL)の水、又はぬるま湯(白湯)で飲むようにしましょう。先述した口腔内崩壊錠ではない薬を水なしで服用すると、うまく体に吸収されず、思った効果が現れないばかりか、のどや食道につかえて長くとどまると、そこで薬が溶け、食道に炎症や潰瘍を引き起こす原因になります。
また、水の代わりにお茶、ジュース、牛乳、コーヒー、紅茶、アルコール飲料、ドリンク剤などで服用した場合、薬の吸収を遅らせたり速めたり、薬の作用を強めたり弱めたり、中毒を起こしたりする場合もあるので注意しましょう。
カプセル剤
カプセル剤について
カプセル剤はカプセルの中に粉末や顆粒、液状の薬などが入っている薬になります。
服用方法
錠剤に比べてカプセルは食道や胃の粘膜にくっつきやすいので、十分な水で、身体を起こした状態で服用しましょう。
散剤
散剤について
散剤は粉薬といわれる形です。複数種類を混ぜ合わせたり、体重・年齢に合わせて細かく量を調整したりできる薬です。室温や湿度など、保管方法に気をつけなければならない薬もあります。
服用方法
散剤は基本的に、水で飲んでください。飲みづらいときにはジュース、アイス、プリン、牛乳などで飲ませても良いものもありますが、薬によっては逆に苦みが増したり、吸収が低下したりするものもあります。また、散剤が飲みづらい、飲ませづらいと感じた時にはオブラートを使用したり、薬を飲みやすくするためのゼリーなども薬局などで販売されているので、かかりつけの薬剤師と相談しながら使用してみるのも良いでしょう。
液剤
液剤について
液剤(シロップ剤)は小さなお子さんや飲み込む力の落ちている方などが服用しやすい剤形ですが、保存性や持ち運びやすさが劣ります。冷蔵庫で保存しなければならない薬もあるので、保存方法に注意しましょう。
服用方法
液剤は泡立たない程度に振り混ぜてから、決められた量を付属のスポイトや計量カップではかりとり、服用していきましょう。

薬の服用時間について

食前
食前とは食事をする約30分前に服用すること。
例として吐き気止め、食欲を増進させる薬、胃腸の働きを良くする薬、食物の影響で効果が低下する薬などがあります。
食間
食間とは食後約2時間後に服用すること。
例として咳止め、漢方薬、食事の影響を受けやすいものなどがあります。
食後
食後とは食後約30分後に服用すること。
大部分の医薬品は食後服用の指示をされます。
その中でも食後服用が望ましいものは、胃腸障害を受けやすい薬です。
寝る前
寝る前とは寝る20~30分前に服用すること。
例として睡眠剤、下剤、気管支喘息の発作予防薬、胃酸の分泌を抑える薬などがあります。
頓服
頓服とは症状が起きた時、症状を緩和したいときに使用すること。
例として痛み止めや熱さまし、咳止め、狭心症の発作の薬などがあります。

薬を飲み忘れてしまったら?

決められた服用時間からそれほど経過していない場合は、気付いた時に飲みましょう。もし、不安なようならかかりつけ薬剤師に相談してみましょう。忘れたからといって、次回に2回分の薬を飲まないようにしましょう。

まとめ

お薬は用法・用量を守って服用していきましょう。色々と工夫されている内服薬ですが、飲んでみて服用しづらい剤形の時には、ほかの剤形に変えてもらうことができないか、かかりつけの医師や薬剤師に相談してみましょう。

また、PTP包装(お薬を包装しているシート)の薬剤はお薬をシートから取り出さないまま服用しないように注意しましょう。包装された状態のまま服用してしまい、硬く尖ったシートの部分が食道を傷つけてしまうケースが報告されています。